怠惰だと思っていたものの正体

by misachaan

新卒1年目に病院で抑うつ状態と診断された。

抑うつとは一時的に気分が沈んだり、元気が出ない状態のことを指すらしい。

オフィスに行きたくない、あの怒鳴り声を聞きたくない、誰かが泣いているのを見たなくない…

中途レベルの人材が所属されるべきポジションに自分から立候補して入れたので、後悔はまったくない。ただ、今振り返っても、時代錯誤な職場だった。学生のときに見れなかった景色を見れたし、経営者視点で企画を考えたり、秘書的な動きをさせてもらえたのも貴重だったと思う。これはいまだから言えるけど、あの時はほんとうにしんどかった。

チームで最もコミュニケーションを取らなければいけない人とは関わりたくないと心の底から叫んでいて、入社して間も無く、無意識的に避けるようになった。その時から、「私はこの部署にいてはいけない。」と痛感するようになった。人との関わりを避けていたことで私はチームで一番なにもしていないメンバだとみられていたかもしれない。

朝令暮改すぎる命令によって、身も心も振り回されていた。私はオフィスで泣くことはなかったが、泣いている同期を見て、もらい泣きしそうになったことは何度もあった。

生きるために必要限度のことができなくなって、どんどん廃人となっていく私が病気でもないのになぜこんなにやる気が起きない、気だるい状態が続いているのか、、

新しいプロジェクトにアサインされる前に、自分の体調についてはっきりさせておきたくなった。

まずは身体に異常があるのではないか、と考えあらゆる病院に行った。行ったこともない都会の土地に降りて内科に行き、血液検査やMRIスキャンもしたりした。驚くほどに健康体だった。

データから自分は健康体と知った瞬間私はすぐに理解した。

私が診てもらうべき場所は精神科だと。

……….なんで?

学生のときに心療内科に行ったことがあったが、家族のことや友人関係など取り調べのように質問された。聞き方はやさしいお医者さんそのものだったが、私は自分の過去について何周も向き合っており、どこに原因があるのかまで理解できていた。だから診察が開始して5分もしないうちに、「この医者はいまの私のことを理解しようとしてくれているけど、本質に辿り着けていないな」と感じていた。私は捻くれた患者である。

答えをわかっていたから、あとは医者にも肯定してもらったかったのかもしれない。

そのほかにも診察内容があったと思うが、まったく心が穏やかにならず、なんでこの時間のためにお金を払わないといけないのか?と考えるほど自分はまだおかしくなっていないと気づいた。

あの時の二の舞にはならない、と固い意思を持ってしっかり調べて評判の良さそうだった精神科に行った。

病院に着くと、問診票とA4サイズの白紙の用紙を渡され、「この紙にりんごの木を描いてください」と言われた。私はすぐに察した。この実験を見たことがある。りんごの木の大きさでいまの精神状態を測るテストだと。

人が普段目に見えないものを表に書き出すのは、病気らしい、というどこかで見たホラー話を思い出した。

そういうケースもあったなと思い出しながら、私はA4用紙の真ん中くらいにまあまあ大きいりんごの木を描いた。絵は上手くないのでほぼ線図だったが可愛く描けたなと満足していた。

待合室で診察に呼ばれるのを待っているときに、

「私、健康じゃん☺️」って考えていたくらい、なぜか心に余裕があった。

病院にいく前に簡単に調べていて、私は適応障害と診断されるかなと思っていたが、

実際に診察を受けて、そうではなく、またうつ病の1段階前の「抑うつ状態」だということもわかった。

やる気が起きない。

なにもしたくない。

これは自分が怠惰なのではなかった。

本当は薬で治療するのは怖かったが、何錠か飲んでやる気が出てきたことを実感し、生活に最低限度のことはできるようになった。

うつ病を経験していた友だちに聞いて新しいことを始めてみたりした。ちょうど、新しいプロジェクトに配属された時期だったので心も環境も心機一転し、当時の私にはちょうどよかった切り出しだった。

置かれた場所で咲きなさい、は嘘であると痛感した。

なんでも我慢しようとしてしまう私には気づくのが遅かったなあ

遠回りしたけど、あの時に気づけてよかったよ

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